多摩川の辺りで働くデータサイエンティスト

ポートフォリオ的なもの(未完)

DXってやっぱりDが重要じゃない?という考察

この文章は、草稿段階の記事になります。 コメント等いただけると考察を深められると思うので幸いです。


目的

2021年現在、DXが謳われて久しいところですが、その中で、DX人材には

  1. ITスキル必要派

  2. ITスキルより企画力や業務変革力派

といった意見がが入り乱れている事態かなと感じています。 デジ庁の人事とかの議論もそんな感じですよね。。。

これら言説の流れを見ていくと、ML・DNNの流行に伴いDXが謳われ出した時は、1が多かったものの、その後やっぱり2の方が重要だよねといった議論に流れている感が個人的にあります。

この議論の流れ自体は、そんなに珍しかったり愚かだったりすることではなく、古くからIT界隈では1と2の両立が目指されてきたわけで、経産省(傘下のIPA)が所管するIT系の国家資格(笑)の体系を見ても、基本&応用情報技術者の次のステップとして、ITストラテジストが設置されているところからしても、さもありなんなところかなと感じています。

一方で、人材のリスキリングの文脈で見るとプログラミングといったハードスキルを中途半端に身につけてもプログラマーとして喰える訳ではないので、

「(本音では1は無理だから)2だよ!これだから現場とビジネスを知らない素人は困る!ぷんスカ!」

という主張もよくあるように思います。

(ここら辺の主張はコンサルに多いですかね。こういった主張の方が客(ITについては素人の大企業の役員)が楽&喜ぶので、そういうコンサルが継続受注&社内で出世して、それを見た周囲が真似るんでしょうけど。。。 あと単にコンサル本人の嗜好として、技術者を下に見ているケースも多いと思います。技術者を心からリスペクトしていたら、技術者になろうとする人が多いでしょう。)

(通常は企画人員よりも実行部隊の方が必要人数が多くなるので、企画者を大量に用意しても、企画だらけで何もできないと思うんですが。。。もしかしてコンサルはそれの実行部分を受注して、一儲けしようと企んでいるとかですかね。。。)

(ただ、「高い山ほど裾野が広い」という言葉にはなぜか説得力がありますよね。本当かどうかはデータで検証したいところですが。(相関はあっても、因果は逆というのも想定できるので。))

私自身は総研系コンサルでIT部門の経営管理コンサルに従事した後、AIベンチャー多摩川辺りでDSとして勤めているので、その立場から、「やっぱり、1が大事でしょ!」と言いたいので、この記事はそれを目的に書かれたものになります。

(本当はここら辺の議論をしようとすると、歴史研究的に言説の時系列や主義主張の体系化&定義の精緻化みたいのが必要なんですけど、私には無理なので誰かやってくれませんかね。。。というかこういった研究をする経営学者・社会学者・文学者・MOTってないんですんかね?だいぶ実りの多い領域の様に思うのですが。。。人文系もその存在価値を「リベラルアーツ」だけで主張しないで、ここら辺の技術言説の興亡の研究でサクッと事例を作っちゃえばいいのに。。。)

主張

「DX人材にはITスキルや開発(プログラミング)・運用経験が必要である」

理由

  • DXを進めると、業務分掌(要は役割分担)の再・新規構築が必要になる。業務分掌の再・新規構築に当たっては新業務の内実・特性を理解して分掌の検討をするのが求められ、既存の業務分掌を超えて企画側(分掌検討側)が業務を理解することが必要である。 (既存の業務の分掌のままIT化すると、DXというより「単なるIT化」になりがち。)

  • 業務分掌の再・新規構築に当たっては、(既存)業務自体に詳しいことは必須であるが、より高品質な業務分掌を検討するには、ツールであるITの特性についても詳しい必要である。ITの特性を生かした分掌を作ることこそがDXのイノベーション感(差別化要因)の根幹である。

  • ITの理解を深める方法は多種あるが、現在の多くのエキスパートが経験した代表的な学習方法として、「実際にITスキルを身につけITの開発・運用を経験する」が挙げられる。

補足

  • 現状のユーザー系企業のシステム化の分掌は、「利用側は業務に詳しければ良い。IT部分はベンダーに丸投げ。」と想定しています。なのでDXのためには現状のシステム開発(「単なるIT化」)の分掌(企画は業務に詳しければ良い。IT部分はベンダー任せ)を超えて、ITの理解を深める必要があると主張したいです。

  • 想定される反論として、社外のITの専門家を検討チームに含めれば良いというものがあると思います。ただ社内にITに詳しい人がいないと業務分掌とITの高度なすり合わせが困難になるので(業務と社外専門家間の連携すら困難になるので)、社内にITに詳しい人がいるべきだと思います。その詳しい人のレベル感として、「簡単な業務改善ツールくらい自力で開発・運用できる必要ありませんか?」というのが主張です。 (あと社内でも有望株と思われる(超優秀な)企画人材の方々が、高々年収数百万円の派遣SEの仕事が「能力的に無理です」ということはないですよね。。。)

  • GAFAとかでも、ビジネス人材はITそんなに詳しくないよ」という論もあると思いますが、それはGAFAとかだと「ITの特性を生かした業務分掌」の構築ノウハウが文化や暗黙知として組織に浸透しているので、ビジネス人材がITに詳しくなくても成り立っているのだと思います。(もしかしたら、GAFAのビジネス人材はそんな文化や暗黙知があることにすら、気づいてないのかも知れませんが。)

  • もし、DXで本当にXが本質なら、みんなタピオカ屋や唐揚げ屋をやって、儲かんなくなったらサクッと辞めれば良いんですよ。すごく優秀なXですよ。でも、DX感ないですよね。

  • 「業務分掌の失敗事例を出せよ!」となると思います。いい例思いつくまで少々お待ちください。

(「データ分析用にtfやStan等のライブラリを使いたいにも関わらず、長大なセキュリティアセスが必要になる」や、「みんなが適当にゴミデータを突っ込んだ、使われない&保守費は高額なDataLake」、「デジタルサービスの利用者数増加には新機能の開発が必要だけど、leanやPMFを知らずに初期開発で予算使い切っちゃった」)